2024/12/05木曜日【本質】「大切なことを教えてくれた人たちへ」
こんにちは。お元気ですか?
今日は、僕が絵師として歩んできた中で感じている「教えること」と「教えられること」の本質について、少しお話ししたいと思います。
師匠からもらった言葉
僕は本当に師匠や周りの人たちに恵まれていました。
形や線、色、光、構図、遠近法、反復練習……。絵を描く上での基礎となるこれらを、一つひとつ丁寧に積み重ねなさい、と。
そして、「君はどういった想いを共有したいか、一つに集中して描きなさい」という言葉も。
当時は正直、「そんなことを言われてもまだ技術もないし、ピンとこないな」と思っていました。でも、その言葉が何を意味していたのか、今ならよくわかります。
師匠は細かい所作や描き方を教えてはくれませんでした。でも、それは僕がその答えを自分で見つけるべきだと信じていたからなんだと思います。そして、いつも「本当に大事なこと」だけを伝えてくれました。
段階ごとにもらった言葉
思い返すと、僕が受け取ってきた言葉は、いつもそのときの自分にちょうど合ったものでした。
初心者のころは、とにかく「形」「線」「光」を反復練習すること。
中級者になってからは、「何を描きたいのか」「どう見せたいのか」を考えること。
ある程度描けるようになってからは、自分の手で答えを見つけること。
教える側として、こんなふうに相手の成長に合わせて言葉を選び、余白を残してくれるって、本当にすごいことだと思います。
天才と努力の話
周りから見れば「この人は天才だ」と思われるような人でも、その裏には地道な積み重ねがあります。僕が大好きな話の1つに、60代からピアノを始めた女性の話があります。
彼女は周りになんて言われようと気にせず、毎日少しずつピアノを練習しました。そして、80代になるころにはクラシックの代表曲を何曲も弾けるようになったんです。
きっと彼女を見た人は「この人は天才だ」なんて簡単に言うでしょう。でも、実際は違う。60代から始めた彼女の積み重ねが、80代でその結果を実らせた。それだけの話なんです。
僕ら絵師も、何か一つの道を極めるためには、同じように積み重ねを続けていくしかない。派手な結果ばかりを見て「あの人は特別だ」と思うのではなく、その裏にある目に見えない努力の量や向き合い方を見つめるべきだと感じます。
伝えることの本質
師匠や周りの人たちに教わったことを、今度は僕が伝える側になったときにどう活かすか。これもまた、大切なテーマです。
技術を教えることは大事だけれど、すべてを教える必要はない。
細かい手法よりも「本当に大事なこと」を伝えること。
そして、相手が自分で気づき、成長していける余地を残してあげること。
これが、僕が学んだ「教えることの本質」なんだと思います。
感謝と未来への一歩
結局、僕がここまで来られたのは、師匠や周りの人たちの支えがあったからです。それは、何も手取り足取り教えてもらったからではなく、「自分で考える力を育ててもらった」からこそ。
これからも、自分の道を歩みながら、その学びを誰かに伝えられるような絵師でありたい。そして、その積み重ねの中で、僕自身もまた成長していきたいと思います。
どうでしょう、この話、少しでも何かのヒントや共感になれば嬉しいです。それでは、またね!